第451回 通常例会

2025年9月20日(土)に九段生涯学習館 4F 第一集会室で開催された、飯田橋トーストマスターズクラブ第451回通常例会は、熱気と知的好奇心にあふれる会となりました。

「トーストマスターズって何?」と思われた方もご安心ください。
ここは、スピーチやコミュニケーション能力を向上させたい人々が集まる場所です。例会では、会員がお互いにフィードバック(論評)し合い、成長を目指す温かいコミュニティです。

今回の例会は、新年度のスローガン「AI時代を生き抜くコミュニケーション能力を獲得しよう」のメッセージが込められた、示唆に富むプログラムとなりました。

★個性あふれる準備スピーチで新たな発見が!

この日の例会では、3名の会員による「準備スピーチ」が行われました。

1. M.K.さん:「私は何者?DNA編」
M.K.さんは、パブリックスピーチの基本を学ぶ「ダイナミックなリーダーシップ」レベル1、「アイスブレーカー」として登壇しました。
人前で話すことへの恐怖を、集団から排除されることを恐れた「脳の進化的仕組み」として説明し、ChatGPTの意見を交えながら進行。ご自身のDNAに組み込まれているという、幼少期からの「家が好き、図面を描くのが好き」という情熱を語りました。
建築物や建造物といった単語を巧みにちりばめ、一貫性のある素晴らしい構成でした。 M.K.さんは、この日のベストスピーカーに選ばれました。

2. I.Y.さん:「AIって何者?~AI例会で分かったこと、分からなかったこと」
I.Y.さんは、「プレゼンテーション熟達」レベル3、「説得力のある話し方」のプロジェクトに沿ったスピーチを行いました。
8月末に実施された「AI例会」の振り返りとして、AIの能力を測る指標である「オズニアックテスト」の概念を紹介。このテストの基準(コンテキスト理解、予期しない状況への対応、曖昧な指示への対応)が、AI例会の状況と酷似していたと分析しました。
I.Y.さんは、AIを「命令をする相手」ではなく「同僚のように使う」のが良い、という結論を説得力を持って伝えました。

3. C.M.さん:「今日〇〇」
C.M.さんは、「プレゼンテーション熟達」レベル1、「目的を持って書き始める」というプロジェクト目標で登壇。
タイトルの「〇〇」の答えは、女子中高生から絶大な支持を得ている恋愛リアリティ番組「今日、好きになりました。」(通称:今日好き)。2泊3日の構成や、継続メンバーの存在といった番組の魅力が語られ、「目の保養」になる海外リゾート地での撮影が多いことも紹介されました。
観客を巻き込んだ楽しいスピーチは、プロジェクト目標である「聴衆の1人以上に興味を持ってもらう」ことを達成し、大成功となりました。

★即興スピーチで思考力が鍛えられる!「テーブルトピックス」

例会のハイライトの一つである「テーブルトピックス」のコーナーでは、T.T.マスターのM.K.さんが、準備スピーチからインスピレーションを得たお題を出し、即興性が試されました。

• M.K.さんのスピーチにあった「ガチャ」という言葉から、「これガチャだな、と思うことはありますか?」というお題。
T.Y.さんが「親ガチャ」について自身の幼少期の経験を深く語り、聴衆の共感を呼びました。

• M.K.さんの「家が好き」という話に触発され、「あなたの好きなものは何ですか?」という問いに、K.M.さんが長年続けている厳しさのある「茶道」について語りました。
厳しい修行を超えた先にこそ「真の好きなもの」があるという言葉は、学びの深いスピーチでした。

• I.Y.さんのAIスピーチから、「AIに何をしてもらいたいか?」というお題。
A.H.さんは、朝食作りや家事代行といった「生活の中のサポート」を希望しました。

• C.M.さんのスピーチで触れられた「意外」というキーワードから、「意外だなって言われることは?」というお題。
M.K.さんは、ご自身が「意外と大家族の出身」であり、4世代同居という集団生活の経験を共有しました。

ベストテーブルトピックススピーカーには、K.M.さんが選ばれました。

★成長を促す「論評」と「ヘルパー」の存在

トーストマスターズでは、スピーチ後の「論評(フィードバック)」が重要です。

• M.K.さんのアイスブレーカーに対し、M.K.さんは、M.K.さんの堂々としたプレゼンスやよく通る声、建築関連の単語を多用した言葉のチョイスの面白さなどを称賛し、大きな自信につながるフィードバックを贈りました。

• I.Y.さんのAIスピーチへのT.Y.さんの論評は、オズニアックテストの採用により、例会の評価基準が明確になった点を高く評価しました。

• C.M.さんのスピーチへのY.M.さんの論評は、タイトルで聴衆を惹きつける工夫や、質問を投げかけることで聴衆を巻き込む手法を称賛しました。
Y.M.さんは、この日のベスト論評者に選ばれました。

また、例会を円滑に進めるための様々な役割(ヘルパー)も、学びの機会を提供します。

今夜の言葉: D.A.さんが、誤解されやすい言葉「役不足」をテーマに選定。
正しい意味(実力に対して役目が軽すぎること)を共有し、語彙力向上を促しました。

えーとカウンター: H.H.さんが、フィラー(つなぎ言葉)の多用が聴き手に与える印象について丁寧に説明し、過度に神経質になりすぎずにリラックスして話すよう促しました。

文法係: S.T.さんが、スピーチ中に見られた素敵な表現や、興味深い言葉遣い(M.K.さんの「国ガチャ」、T.Y.さんの「卒業後」など)をピックアップして紹介し、表現の幅を広げるヒントを提供しました。

★努力が報われる「表彰」の瞬間!

例会の最後には、受賞者の発表と記念撮影が行われ、皆で喜びを分かち合いました。

• ベストスピーカー: M.K.さん

• ベスト論評者: Y.M.さん

• ベストテーブルトピックススピーカー: K.M.さん

ゲストのO.Y.さんからは、AI時代におけるコミュニケーションの在り方について考えるきっかけを得られた、という感想が寄せられました。

飯田橋トーストマスターズクラブは、新しい会場での開催となりましたが、会員の協力によりスムーズに進行し、実りある例会となりました。

ゲストの方も安心して参加できるアットホームな雰囲気の中で、あなたもぜひ一度、この刺激的で温かい学びの場を体験してみませんか?見学はいつでも大歓迎です!