12月に入り、今年も残すところあとわずかとなりました。
第457回の飯田橋トーストマスターズクラブ通常例会も、「AI時代を生き抜くコミュニケーション能力を獲得しよう」というテーマのもと開催されました。
今夜のトーストマスター(司会)は、S. T. さん。冒頭、会長のI. Y. さんから美味しいラーメン屋さんのエピソードが披露されると、続くS. T. さんも自身の「年間ラーメン100杯達成」の目標について熱く語り、飯田橋クラブがまるで「ラーメン愛好会」のような和やかな雰囲気で幕を開けました。
★今夜の言葉:「教訓」
例会全体のキーワードとなる「今夜の言葉」。担当のM. T. さんが発表したのは「教訓」でした。
愛猫のきなこちゃんをCM動画に応募するために様々な装飾をして撮影に臨んだものの、残念ながら落選してしまったというM. T. さん。
「猫よりも装飾が派手すぎた」という経験から得た「教訓」という言葉は、スピーチや論評の中でメンバーによって頻繁に引用され、例会を盛り上げました。
★準備スピーチの部
本日は3名のスピーカーが登場し、バラエティ豊かなスピーチを披露しました。
1. K. M. さん:「この一年を振り返って~日常の裏側で見つけた気づき~」
日常が一瞬にして非日常に変わる瞬間を描いたスピーチ。駒込駅前で目撃した、コンビニ店員さんや通行人による「犯人追跡劇」という衝撃的なエピソードを臨場感たっぷりに語ってくださいました。
「平凡な日常こそがありがたい」「非日常の時こそ人の価値観が現れる」という教訓は、聴衆の心に深く響きました。
2. A. H. さん:「私のリーダーシップ」
ご自身のリーダーシップスタイルを模索するスピーチ。大学時代の経験や、書籍から学んだ「CRF法(結論・理由・事実)」を用いた説明力、そして「影響力」の重要性について、スライドを用いて論理的にプレゼンテーションされました。ご自身の成長と向き合う姿勢が印象的でした。
3. S. Y. さん:「神奈川カレー事情」
「隠れたカレー天国」である神奈川県のカレー文化を紹介。スープカレーのアルペンジロー、スタミナカレーのバーグ、中華街のカレー、横須賀海軍カレーなど、地元愛にあふれるリサーチ結果を発表されました。
写真付きの解説は飯テロ級の破壊力で、聴衆の食欲を大いに刺激しました。
★テーブルトピックス(即興スピーチ)の部
即興スピーチのセクション、今回のマスターはM. K. さん。「本当に聞きたいことを、一人でも多くの人に聞く」というコンセプトのもと、通常とは異なり「着席したまま回答する」というヒアリング形式で進行しました。
リラックスした雰囲気の中、投げかけられた質問と、メンバーの個性あふれる回答を一部ご紹介します。
Q. もし明日死ぬとしたら、残りの24時間で何をしますか?
• D. A. さん:「旅行が好きなので、まだ行っていない秋田・富山・大分へ行き、最後にたどり着いた県で力尽きたいです」
• S. S. さん:「すぐに大阪の実家に帰ります。父の誕生日と自分の結婚記念日が近いので、両親と妻に感謝を伝えます」
• T. Y. さん: 「SNSなどで友人たちに最後の挨拶をして、最後は皇居ランをして走りながら終わりたいですね」
• C. M. さん: 「お寿司をたらふく食べます。食べ過ぎて死ぬのか寿命なのか分からないくらい食べたいです」
Q. 歴史上の人物一人に会えるとしたら?
• S. Y. さん: 「モーツァルトです。『浪速のモーツァルト(キダ・タロー氏)』についてどう思うか、本人に感想を聞いてみたいです」
• H. N. さん: 「岡本太郎です。大好きすぎて美術館の年パスも持っています。『そんなんじゃダメだ!』と叱咤激励されたいです」
Q. 自由と平等、どちらが大事?
• H. S. さん: 「自由すぎると社会が混乱するので、平等のほうがのんびり生きやすくて良いと思います」
Q. 日本の首相になったらどんな政策をしますか?
• K. M. さん: 「権限を最大限利用して、飛行機乗り放題や高級店での接待など、自分と友達のために贅沢をします。難しい法律などは部下に任せます(笑)」
死生観から政治(?)まで、座ったままのスタイルだからこそ引き出せた本音が飛び交い、会場は終始笑いに包まれました。
★論評の部
トーストマスターズの醍醐味である「論評」セクション。 総合論評のT. Y. さん進行のもと、3名の論評者がスピーカーの強みを分析し、さらなる成長のための「愛ある提案」を行いました。
1. I. Y. さんによる論評(対象:K. M. さん)
• 良かった点: しっかりとしたアイコンタクトと、落ち着いた話し方が安心感を与えていました。「次に何が起こるんだろう?」と思わせる小説のような構成も見事でした。
• 改善への提案: 状況描写だけでなく、感情や思考を表すジェスチャーを取り入れるとさらに良くなります。また、犯人を追いかけるシーンで「待て!」と大きな声を出してボーカルバラエティ(声の抑揚)をつけると、臨場感が増すでしょう。
2. D. A. さんによる論評(対象:A. H. さん)
• 良かった点: スライドの文字が大きくシンプルで、伝えたいことが明確でした。また、今夜の言葉である「教訓」を自然に取り入れていた点や、リーダーシップを「営業力・影響力」と定義づけた点も説得力がありました。
• 改善への提案: メモを見ながら話す場面があったので、話す内容はすべてスライドに記載してしまい、前を向いて話すとより印象が良くなります。
また、CRF法(結論・理由・事実)の説明では、一般的な例よりも「上司への毒舌」などリアルなエピソードを交えると、聴衆がより楽しめる内容になるはずです。
3. H. S. さんによる論評(対象:S. Y. さん)
• 良かった点: 雑誌やグルメ番組のような分かりやすいスライド構成でした。各店舗のカレーの特徴(スープカレーなのに肉がメイン、など)を端的に捉えた説明が、聴衆の興味を強く惹きつけました。
• 改善への提案: 素晴らしいリサーチでしたが、最後に「まとめ」があるとさらに良くなります。「なぜ神奈川でカレーが栄えているのか」という考察や、ご自身の「ベスト3」の発表、「自分にとってカレーとは何か」という情熱を伝えると、プレゼンテーションとしての深みが増します。
今回の例会では、ユニークな回答を引き出したテーブルトピックスと、具体的で実践的なアドバイスが送られた論評の時間が特に印象的でした。
「教訓」という言葉が飛び交った今夜、参加者一人ひとりが明日からのコミュニケーションに活かせる何かを持ち帰ることができたのではないでしょうか。
★受賞者発表
激戦となった今夜の受賞者は以下の通りです!
• ベストテーブルトピックス賞: H. N. さん
• ベスト論評賞: D. A. さん
• ベストスピーカー賞: A. H. さん & S. Y. さん(同率受賞!)
受賞された皆様、おめでとうございます!
★ゲストの皆様へ
飯田橋トーストマスターズクラブでは、ラーメンの話から社会派の話題まで、多様なバックグラウンドを持つメンバーが楽しくスピーチの腕を磨いています。 「人前で話すのが苦手」「もっとプレゼン上手になりたい」という方、ぜひ一度見学にいらっしゃいませんか?
笑いあり、学びありの2時間を一緒に過ごしましょう。皆様のご参加を心よりお待ちしております。









