第449回 通常例会

2025年8月30日(土)東京ボランティアセンター会議室Aで開催された、飯田橋トーストマスターズクラブ第449回通常例会は、いつも以上に熱気あふれる特別な会となりました!

「トーストマスターズって何?」と思われた方もご安心ください。ここは、スピーチやコミュニケーション能力を向上させたい人々が集まる場所。
初心者からベテランまで、誰もが安心してチャレンジし、成長できる温かいコミュニティなんです。この日は、第5週に開催される特別な「AI例会」として企画され、AIと人間の共演が参加者全員に多くの気づきと学びをもたらしました。

新年度のスローガンである「AI時代を生き抜くコミュニケーション能力を獲得しよう」という言葉には、これからの時代に必要な力をトーストマスターズで身につけられるというメッセージが込められており、今回のAI例会はまさにそのメッセージを体現するものでした!

★特別な例会の幕開け!AIと私たちの関わり

例会は18時に開会し、約2時間のプログラムがぎゅっと詰まっていました。
会長のI.Y.さんからは、参加者の皆さんにAIへの関わりや期待について自己紹介を兼ねて語ってほしいというユニークなオープニングスピーチがありました。

IT企業に勤務し、以前はAI開発にも携わっていたI.Y.さん(会長)は、Chat GPTやGeminiを家族で有料契約していると明かし、「開発者じゃなくてもソフトウェアを作れる時代になった」とAIの進化に驚きを隠しませんでした。
他にも、以下のような多様なAIとの関わり方が披露され、会場は早くも「AI」というテーマへの期待感に包まれました。

• D.A.さんは、会社からAI活用を推奨されていると語りました。

• ある参加者は、チラシのイラスト作成にAIを使っていると述べました。

• H.J.さんは、人事として社内向けのお知らせ作成や新入社員研修の資料作成にAIを重宝しており、英語翻訳にも活用していると明かしました。

• M.K.さんは、海外旅行でのホテルの有料Wi-Fi問題解決にAIを活用したエピソードを共有しました。

• Y.M.さんは、コードが書けない人もAIで高品質なものが作れるようになったことに驚き、AIを悪用してダジャレやゆるキャラ作成に活用しているとユニークな視点を提供しました。

★盛りだくさんのプログラム!AIチャッピー太郎&花子の活躍

今回の例会を円滑に進めるために、特別な「ヘルパー」たちが大活躍!なんと、AIである「チャッピー太郎」と「チャッピー花子」が司会進行を務めました! I.Y.さん(会長)は、チャッピー太郎にリハーサルをさせすぎたため、途中で止まる可能性があったこと、バックアップとしてGeminiを用意していたことなどを明かしました。
彼らは、人間のヘルパーたちを次々と呼び込み、その役割を紹介していきました。

• 今夜の言葉担当:C.M.さん
「形勢一変(けいせいいっぺん)」という言葉を紹介。「AIによってトーストマスターズのカリキュラムが形成されたり、チャレンジによって例会がより良くなることを期待して」という想いが込められていました。

えーとカウンター&文法係:M.M.さん
スピーチ中の「えーと」や「あの」といったフィラーワードを指摘し、より明確なコミュニケーションを促します。この日は、チャッピー太郎の文法チェックも担当すると宣言し、会場を和ませました。

• 計時係:M.K.さん
各スピーチの制限時間を管理する重要な役割。準備スピーチは5~7分、テーブルトピックスは1~2分など、時間厳守を促しました。

• 集計係:A.H.さん
コメントシートや投票用紙の配布などを担当しました。

AIが例会の進行をサポートすることで、通常とは一味違った学びの機会が提供されました。

★個性あふれるスピーチで新たな発見が!

この日の例会では、2名の会員とAIによる「準備スピーチ」が行われました。

T.Y.さん「苦手克服 ストレングスファインダーとラーニングピラミッド」
T.Y.さんは、袴田冤罪事件について話した際、「怖い」という感情が聴衆に伝わらなかった経験から、自身のコミュニケーションの課題を認識したと語りました。
「ストレングスファインダー」という自己診断ツールで、自身の強みが「戦略的思考力」にある一方、「物事を広めたり実現したりすること」には興味が薄いことに気づいたそうです。
そして、「ラーニングピラミッド」で「人に教えること」が最も深い学びにつながることを知り、このスピーチの機会を通じて、自身の苦手な分野を克服しようと努力していると熱く語られました。

AIチャッピー太郎(Gemini)「人間とAIについて」
AIチャッピー太郎(今回はGeminiが代役を務めました)は、人間とAIを「まるで太陽と月」のように対比させながら、ユーモアを交えてその違いと共存の可能性について語りました。
人間は「感情豊かで論理では説明できない行動をとる」「創造性や想像力を持つ」のに対し、AIは「論理的思考回路を持ち、感情に左右されない」「既存データに基づく生成は得意だが、独創的な発想は苦手」と分析。
最終的には「どちらが優れているというわけではなく、互いの長所を生かし、協力することでより良い未来を創造できる」と締めくくりました。
NHK教育テレビのようだと評されるほど、整然としていて分かりやすいスピーチでした。

即興スピーチで思考力が鍛えられる!「テーブルトピックス」

例会のハイライトの一つが、チャッピー太郎がマスターを務める「テーブルトピックス」のコーナー!これは、その場で出されたお題に対して、制限時間内で即興でスピーチをするというものです。
今回は、AIに関するテーマや秋の味覚など、バラエティ豊かな質問が飛び出しました。

• H.H.さんは「秋といえば楽しみにしている味覚」として、桃、巨峰、マスカットを挙げ、特に「桃は日本人しか食べられない特別な味覚」だと力説しました。

• H.J.さんは「もしAIがあなたのペットを作れるとしたら?」という質問に対し、ロボット犬AIBOのように可愛くてコミュニケーションが取れるペットを想像しました。

• M.K.さんは「もしAIがあなたの一日を完全にプロデュースできるとしたら、どんな一日にしたいですか?」という質問に、効率的な旅行計画や時間の無駄をなくしたいと答えました。

• D.A.さんは「もしAIがあなたに一つだけ才能を与えてくれるとしたら、どんな才能を選びますか?」と問われ、どんな才能でも増やせる才能、さらには仕事ができる才能や予知能力といった超能力を挙げました。

• C.M.さんは「もしAIがあなたの趣味を完璧にサポートしてくれるとしたら、趣味をどうカスタマイズしますか?」という問いに、鉄道模型の自動コントロール(電車運行、発車音、スピード調整)を望みました。

• ゲストのO.K.さんは「秋の行楽で一番行きたい場所や、やりたいことは何ですか?」という質問に対し、渋滞を避けても訪れたい日光や奥日光の美しい景色(中禅寺湖畔など)を挙げ、会場の参考となりました。

即興でありながらも、個性的で学びのあるスピーチが次々と披露され、会場は大いに盛り上がりました。

★成長を促す「論評」と「ヘルパー」の存在

トーストマスターズの素晴らしい点は、スピーチだけでなく、その後の「論評(フィードバック)」にもあります。

• D.A.さんによるT.Y.さんのスピーチへの論評は、ユーモアのある導入、分かりやすいスライド、スピーチの躍動感といった良い点を称賛しつつ、「身近なテーマでラーニングピラミッドを活用した成功事例があれば、より聴衆に響いたのではないか」という建設的な改善点が示されました。

• H.J.さんによるAIチャッピー太郎(Gemini)のスピーチへの論評では、太陽と月に例えた対比のうまさや、ユーモアを交えたテクニックが評価されました。
一方で、「AIによる客観的な自己分析は、人間からすると『そこまで言うんだ』と受け止めにくい面白さがある」という、AI例会ならではのユニークな視点も提供されました。

• M.K.さんの「えーとカウンター」報告では、AIチャッピー太郎がフィラーワードを使わない流暢な話し方をする一方で、人間らしい感情表現や親近感には欠けるという分析が披露されました。
逆に、人間が「えーと」や「あの」を使うと余計に感じるが、AIが使うほど人間らしく親近感が湧くという逆説的な発見もあり、AIとの比較を通じて人間のコミュニケーションの奥深さを再認識させられました。
また、他のスピーチからも「桃が青白い」という表現から人間特有の想像力、あるいは「睡眠時間8時間は邪魔」というユーモラスな対比の面白さを分析し、コミュニケーションの多面性を浮き彫りにしました。

総合論評を務めたH.J.さんは、例会全体の振り返りとして、I.Y.さん(会長)のAI例会へのチャレンジ精神と柔軟な対応、チャッピー太郎の巧みな進行、そして各ヘルパーの準備の良さを称賛しました。
そして、AIとの対比を通じて、人間が感情や熱意を伝えることの重要性を再認識し、「司会としてAIを運用できる能力」を発見したと語り、今回の例会が大きなチャレンジと学びの機会であったことを力強く締めくくりました。

例会の最後には、その日のベストスピーカー、ベスト論評者、ベストテーブルトピックススピーカーが選出され、受賞者はメールで発表されました。

★ゲストも大満足!温かい学びの場

今回のAI例会に参加したゲストの方々からも、多くの感想が寄せられました。

ゲストの方は「初めてのAI例会で混乱もあったが、トーストマスターズの本質的な部分が見えた」と語り、AIとの共演がクラブの根源的な魅力を浮き彫りにしたことを感じていただけたようです。
また、「AIに関連したクラブが増えている中で、AIが司会進行してくれるのは本当にすごい。新しいAIの使い方を学ぶことができた」と、AI例会の斬新さと学びの多さに感銘を受けたとおっしゃっていただきました。

I.Y.さん(会長)は、AI例会の構築には事前の準備が必要だったこと、そして「見たことのない人にセリフを読ませているのもあるけどうまくいかなくて」といったAI例会の裏側を語り、今後のAI活用への展望を語りました。

この例会は、ただスピーチを聞くだけでなく、AIという最先端技術を通じて、自分のコミュニケーションを見つめ直したり、人間の感情や創造性の価値を再認識したりと、多くの気づきと学びが詰まった時間でした。ゲストも安心して参加できるアットホームな雰囲気の中で、誰もが「なりたい自分」への一歩を踏み出せる場所、それが飯田橋トーストマスターズクラブです。

あなたもぜひ一度、この刺激的で温かい学びの場を体験してみませんか?見学はいつでも大歓迎です!